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2009年3月16日 (月)

困ったこと

 ロシアから帰って5日目、「ロシアも寒いけど東京もけっこう寒いな」などと思いながら、それでも元気にやっています。
 しかし、ちょっと困ったことが起きました。私は、できる限り時間を作って、土曜日の夕方に妻の美寧子と近くのスポーツクラブへ行き、ピラティスのレッスンを受けていました。美寧子は2005年からこのクラスに参加し、「とてもいいから一緒に行ってみようか」と私を誘っていましたが、先生の動きを目で追って真似ることができない私は、グループレッスンに付いていけないのではないか、インストラクターを戸惑わせるのではないか、と考えてためらっていました。もちろん、惨めな気持ちになりたくはないという思いも強く働いていました。
 私は元元体育が苦手で、特に高校生時代は教師にいじめられ、いつも悲しい思いを味わっていました。だから、運動に関しては強いコンプレックスがあります。それでも、同じスポーツクラブのプールでのレッスンには数年前から参加するようになり、歓迎してくれるインストラクターもいて、けっこう楽しくやっていました。でも、別の種目となると心配が先に立ちます。
 3年前の夏のこと、私は美寧子がピラティスに出ている間、インストラクターの個人指導で器具を使ったトレーニングをし、それを終えて一人でストレッチをしているところに、ピラティスを終えた人たちがどやどやと出て来ました。美寧子が私の側に寄ったのを見たインストラクターの女性が、「一度来てみませんか?一緒にやりましょうよ」と気さくに声をかけてくれたのです。その言葉に勇気づけられて、2006年の9月から、美寧子と一緒にピラティスを始めました。
 そのインストラクターは、本橋恵美さんといい、実に巧みな指導でかなりハードなトレーニングをします。言葉による説明が上手なので、私は彼女が何をやらせたいのかが容易に理解でき、できるかできないかは別として、クラスでのレッスンを楽しく受けるようになりました。そして、身体が活性化すると共に、演奏にも著しい効果が現れてきたのです。
 ピラティスは体幹のトレーニングで、それをやるには、今体のどの部分を使っているかをしっかり意識することが大切だと、本橋さんは言います。それは、演奏も全く同じことで、体のどこに余計な力が入っているかなどを意識できるようになると、ずいぶん楽に弾けるようになるのです。「ピラティスを続けていけば、70になっても80になっても演奏していけるな」と、私は大きな安心感を与えられ、気持ちが前向きに変わっていきました。
 本橋さんは、私が仕事で何週間も休んだ後でも、いつも温かく迎えてくれました。そして、間違った動作をしていると短い言葉でさりげなく注意してくれるのでした。顔を真っ赤にして、ハードなトレーニングをしながら、私の心はいつも安心感に満たされ、「こんな気持ちで運動ができるとは夢にも思わなかった」と感じるほどでした。
 ところが、その本橋さんが、3月限りで私たちの通っているスポーツクラブを辞めると言うのです。彼女の話によれば、1月以降何度か代行をたてて別の仕事をしなければならなかったが、そのことで本社にクレームを付けた人がおり、「今後も一度でも代行を頼むつもりなら、辞めてもらう」と言われたのだそうです。
 代行はないに超したことはありませんが、参加者たちは彼女の忙しさを理解し、それでも気持ちよくレッスンに通っていたはずです。それを、何も知らない本社の上役が勝手に辞めさせるなどということが許されるのでしょうか。
 もし本当に彼女が辞めてしまったら、私個人にとって計り知れない損失と打撃です。どこか近くでピラティスをやっているところを探すしかないでしょうが、彼女ほど卓越した指導者が簡単に見つかるとは思えず、今は絶望的な気分になっています。来週は、土曜日に時間があるので、ピラティスのクラスに行こうと思いますが、もし3月で辞めてしまうなら、私にはそれが最後になります。多くの仲間や心ある人の力で、この決定が覆ることを願うばかりです。

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コメント

 こんにちは。再びお邪魔しました。
私はぴらてぃすとはどの様なものかわかりませんが、残念な気持は痛いほどお察しします。スポーツクラブなど団体で行うものに視覚障害者が入ることは、以外に難しいのですよね。そして、良い先生に出会えるのも簡単ではありませんよね。私もアマチュアオーケストラの入団に置いて、かなり色々なオーケストラに断られ続けました。しかも実力が追い付いていないのならわかるのですが、練習に一度も参加出来ずに、話しをしただけで「指揮棒だけでは演奏は難しいだろう」と言う理由で断られたのです。現在所属しているオーケストラは、音楽監督が気持ち良く了解してくれましたが。本当に日本は視覚障害者にはまだまだ住みにくい国ですね。

投稿: 大林章子 | 2009年3月21日 (土) 14時52分

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